むさし野文学館は、今までの文学館と何が違うのか。

かつて武蔵野は茫々たる原野でした。果つることなく広がり、際(きわ)もありませんでした。その原野は、古来より詩人たちの心を惹きつけ、文化創造の源であり続けました。しかし、現代の武蔵野に、畏怖の対象となる原野はありません。
近世になって生活のために拵えられた雑木林。その面影を懐旧の念をもって追い求める人たちも、雑木林の向こう側に際限なく広がる原野を幻視することからは遠ざかっています。得体の知れなさへの感受性を失った現代人の想像力は萎縮し、奥行きが狭まっているように感じてなりません。では、どうすれば私たちは原野としての"武蔵野”を取り戻せるのでしょうか。

私たちが導き出した答え、それが「むさし野文学館」です。むさし野文学館は実在する施設の名称であると同時に、際限なく広がるオンラインの世界とシームレスにつながる表現空間を意味する符号です。
むさし野文学館の目的は、伝統的な文学に光をあてて、そこに潜んでいる根源的な何かをあぶり出し、現代のテクノロジーを用いた豊かな表現手法と組み合わせて、世界に向けて次代の「武蔵野文学」を想像/創造することにあります。
そのために、このサイトでは枠に囚われないさまざまなコンテンツを掲載し、多くの表現者の集う場にしたいと考えています。

むさし野文学館 館長 土屋忍