大岡昇平（1909～88年）は、地理の人でした。自らの幼年期、少年期を育んだ渋谷の地理や風物を回想した自叙伝「幼年」「少年」を発表した際には、自作の渋谷の地図も掲載しています。地図には、国木田独歩（1871～1908年）が住んでいた当時の家が明記されています。独歩が没した翌年に生まれた大岡は、独歩が渋谷に住んで書いた「武蔵野」を意識して「武蔵野夫人」を書きました。

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