• 2024.08.28

    「雑木林の美」に違和感 大岡昇平 〈10〉 

 「『山林に自由存す』と歌った明治の詩人の句が思い出された。しかし熱帯の山林を独り 彷徨ほうこう したことのある彼は、自由がいかに 怖おそ ろしいものであるかを知っている。明治の詩人にとって 瞑想めいそう を伴奏する 楢なら椚くぬぎ の快い緑の 諧調かいちょう も、今彼は 薪まき の材料としか映らないのである。人間の手を加えずしてこれほど楢ばかり密生するとは考えられない。」

 大岡昇平の「武蔵野夫人」の一節です。


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